推し活にいくら使っているか、正直に人に言えますか。ライブのチケット、遠征の交通費、グッズ、配信サービスの月額。全部足すと、月に3万円を超えている人も珍しくありません。それでも「高すぎる」と思う人と「まだ足りない」と思う人がいます。差が出るのは、比べ方を知っているかどうかだけだったりします。ここでは、推し活にかかるお金を項目ごとに比べて、どこにお金をかけるべきか、どこを削っても後悔しないかを整理していきます。
ライブ本参戦とリモート参戦、実際どれくらい差が出る?
結論から言うと、本参戦はリモート参戦の3倍から5倍のコストがかかると思っておいたほうがいいです。チケット代だけを比べるなら大差はありません。差が出るのは交通費と宿泊費、それに現地でのグッズ購入です。
しくみは単純です。配信視聴ならチケット代と通信環境だけで完結します。本参戦は会場までの移動が必ず発生します。近郊なら数千円で済みますが、遠方だと新幹線や飛行機の往復で2万円、3万円はすぐに飛びます。前泊が必要なら宿泊費も乗ってきます。
たとえば大阪在住の人が東京公演に参戦するとします。チケット代に加えて新幹線往復で3万円弱、前泊のホテルで1万円前後。それだけで4万円を超えます。同じ公演を配信で見るなら、チケット代のほかにかかるのは自宅の通信費くらいです。
ただし、本参戦には配信では得られない体験があります。会場の空気、同じ空間にいるファン同士の一体感、物販でしか手に入らないグッズ。ここは金額だけで比べきれない部分です。年に1回だけ本参戦して、それ以外は配信で楽しむという組み合わせも、現実的な落としどころだと思います。
グッズ、全部買いと選んで買い
グッズは「欲しいものだけ買う」が結果的に一番安く済み、満足度も下がりません。全部買いは一見わかりやすいですが、家に届いてから使わないものが半分近く出るケースが多いです。
理由はグッズの構造にあります。ライブグッズはTシャツやタオルのような実用品と、アクリルスタンドやランダム缶バッジのようなコレクション性の高いものに分かれます。実用品は使う頻度で価値が決まりますが、コレクション性の高いものは「持っている満足感」がすべてです。全部買うと、この二種類が混ざって、結局どちらの満足感も薄まってしまいます。
具体的に言うと、グッズ一式をフルセットで買うと1万5000円から2万円になることがあります。その中身がTシャツ1枚、タオル1枚、アクスタ3種、缶バッジ5種だったとして、実際に使うのはTシャツとタオルだけ、というのはよくある話です。残りは開封してそのまま棚に置かれる運命です。
ここは人によって考え方が分かれるところです。コレクションそのものが目的なら、全部買いは正解です。無理して集めているうちに、それが楽しみになることもあります。逆に「使うもの」を基準に考える人は、事前にグッズリストを見て、実用品だけに絞ったほうが満足度が高いはずです。
ファンクラブ会費、入る価値はあるのか
会費を払う価値があるかどうかは、チケットの先行抽選にどれだけ通っているかで決まります。会費だけ払って抽選に外れ続けているなら、正直言って割に合いません。
ファンクラブの主な価値は、一般発売より早く申し込める先行抽選権と、会員限定コンテンツです。年会費は数千円程度が相場ですが、それに対して得られるものが「先行抽選に参加できる権利」でしかないなら、当選しなければ意味がありません。
たとえば年会費5000円を払って、年に2回ある先行抽選のうち1回当選し、そのチケットを定価で買えたとします。この場合、会費の元は取れています。一般発売でしか買えない状況だったら、そもそもチケットが取れなかった可能性もあるからです。逆に2年連続で外れ続けているなら、会費だけが出ていっている状態です。
迷いやすいのは、会員限定コンテンツの価値をどう見るかです。動画配信や会報誌が充実しているファンクラブなら、チケットが取れなくても会費分の満足感はあります。ここは抽選の当落だけで判断せず、コンテンツもセットで考えたほうがいいところです。
遠征のホテル、比べる基準を変えてみる
遠征の宿泊費は、部屋のグレードよりも「会場からの距離」で選んだほうが結果的に安くつきます。安い宿を探して駅から遠い場所を選ぶと、タクシー代や時間のロスで逆に高くつくことがあるからです。
理由は移動の負担にあります。ライブ後は終電を気にしながら動くことになります。会場から徒歩圏内のホテルなら、多少高くても移動のストレスとタクシー代がかかりません。逆に安さだけで選んだ郊外のホテルは、電車を乗り継いだ末にタクシーで移動する羽目になり、結果として出費がかさみます。
具体的な場面で考えてみます。会場近くのビジネスホテルが1泊9000円、郊外の格安ホテルが1泊5000円だったとします。差額は4000円です。ですが終演後の移動でタクシーを使うと、それだけで3000円から4000円かかることがあります。ほぼ差がなくなる計算です。しかも郊外組は睡眠時間が削られます。
もちろん例外もあります。友人と複数人でシェアするなら、郊外の広い部屋を安く借りたほうが1人あたりの負担は軽くなります。ひとり参戦か、複数人参戦かで、この基準は変わってきます。
月々の推し活予算、線引きはどこに引く?
推し活予算の上限は、手取り収入の1割前後を目安にすると、生活を圧迫せずに続けられます。これより多いか少ないかは人によりますが、目安がないと際限なく使ってしまうのが推し活の怖さです。
理由は単純です。推し活には「終わり」がありません。新しいグッズ、新しい公演、新しい配信コンテンツが次々に出てきます。上限を決めずに向き合うと、収入以上に使ってしまうことがあります。逆に上限を先に決めておけば、その範囲でどう配分するかという、前向きな悩みに変わります。
たとえば手取り20万円の人なら、月2万円が目安になります。この2万円をどう配分するかは自由です。配信視聴とグッズに使う月もあれば、遠征のために3か月分をためて一気に使う月があってもいいわけです。大事なのは、年間で見たときに大きく超過していないかどうかです。
ここは正直、迷うところでもあります。推し活は「今しか見られない」ものが多く、予算を超えてでも参戦したい場面が必ず出てきます。そういうときは、翌月以降の予算を前借りする形で調整するのも一つの手です。ただし常態化すると意味がなくなるので、年に1回か2回までのルールにしておくのが現実的だと思います。
